ホワイトヴァイオリンが完成したところです。この段階で細かくは研磨しません。
耐水研磨紙を使用すると、炭化ケイ素の黒い粉が付着しますのでよく拭き取ってください。
目止めとして膠水を約10%の濃度で作り、塗布します。そしてすぐに塗れた布で拭き取ります。十分に乾いた後、粗く研磨してもう一度、膠水を塗布します。乾燥させた後に研磨します。
1000番程度の耐水研磨紙で研磨して、少し湿度のある布で研磨材を拭き取ります。
ヴァイオリンヴァーニッシュ・グランドを塗布します。グランドはサンダラックと胡桃油のオイルニスで無着色です。無溶剤のまま、指で全体に塗布します。ブラックライトで24時間硬化を行います。グランド処理は3回塗りぐらいで終了します。2回目の塗布からはテレピン油で希釈してもかまいません。
ヴァイオリンヴァーニッシュ・クラシカルの着色塗装に入ります。写真は純粋マダーレーキの「ルビオ色の塗装です。ルビオの塗装は最終まで6層程度重ねていきます。渋みのある赤色の塗装です。
強い赤にしたい場合は、ディープマダーを重ねて塗布します。一度塗布したら乾燥に6時間以上かけて、ブラックライトで硬化させます。12時間程度で完全に硬化します。
明るい赤にするにはイエロー、オレンジ、ブリックレッドと 2-3回づつ重ねます。
サンダラック・ウォルナットのヴァイオリンヴァーニッシュ・クラシカルは明るい色が作りやすく、ピュアアンバーは暗く重みのある色を得意とします。
コロホニウムは渋く古風な色合いに仕上がります。
着色が完成したところです。色の最終調整は後でイエローを塗布したり、マダーディープを塗布したりして色合いを変えていきます。イエローとマダーディープは黄色と紫の補色混合で暗くなりますが、赤は強調されます。
黄色塗装の2回目です。
慎重に塗ります。同じ箇所を何度も刷毛で擦ると、下地が溶けてしまいますので、なるべく一度で塗装しますが、ニスを絞って着けすぎずに軽く刷毛を動かすのがコツです。
次はイエローとレッドを混ぜた、オレンジ色を作り塗装します。
これも慎重に2回塗ります。
特にオレンジ色塗りは省略してもかまいません。これは初心者の方への失敗の少ない方法です。
レッドの塗装を2回行います。ここはとても慎重に塗装します。よく刷毛を絞って、刷毛を軽くニスを置くように塗装していきます。ムラが出た場合は、乾燥するまで放置して、後で修正します。2回塗布したら色合いを見て、3回にするかを決めます。2回でややオレンジ色、3回で赤い色になります